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エンタープライズ2.0研究室

刺激を噛み砕くプロセス

前エントリーで「刺激」が集まったとして、それが噛み砕かれて活かされるまでを考えてみましょう。


ひと昔前は、
1.ある刺激(出来事)に触れる
2.自分の持ち合わせている視野の中で消化し、噛み砕いた思考を受け取る
3.機会があれば、周囲の人との会話の中でその相手の視野で噛み砕いたものを受け取る
4.受け取った分だけがその人の今後の思考や行動に活かされる
だったと思います。


このプロセスって既に大きく変わってきていますよね?


1.ある刺激(出来事)に触れる
2.自分の持ち合わせている視野の中で消化し、噛み砕いたものを受け取る
3.機会があれば、周囲の人との会話の中でその相手の視野で噛み砕いた思考を受け取る
4.ネットで調べて、出来事自体について情報を集め、理解を深める
5.ブログ、コミュニティ、などなどで質問し、様々な角度からの思考(解釈)を集める

6.受け取った分だけがその人の今後の思考や行動に活かされる


現代プロセスの方は、自分が持ち合わせない思考に触れる機会が格段に増えています。
同じ現象からどれだけこの機会を作り出せるかが成長に大きく関わってきます。

ITという技術革新により、自分の視野を拡げるチャンスを得やすくなったために、これを利用する人とそうでない人の差が生まれ始めているのです。


企業環境でこのプロセスが生まれやすくなることを目指して設計したのが、イントラnewsingです。


業務の気づきや業界ニュース、質問などをキッカケとして、様々な立ち位置の社員からこそ見える解釈が集まっていきます。


営業だから見えること、開発だから見えること、大きく違いますよね。
普段接することがないと、互いの苦労も見えにくくなるもの。
互いの思考や見えにくい事実を共有することでぐっと距離が縮まり、相互理解し、気持ちよく協力できるようになるのです。
両者の視点を持って、トータルで見て最善の判断ができる社員が増えていくのです。


土台である相互理解なくして、気持ちのよい協力などは非常に難しいものです。


こんな「理解の断絶」がいたるところに生まれてしまっていませんか?
その原因は社員が悪いのではありません。
構造に問題があるのです。


社員が意識しなくとも、
自然と上記の体験を引き起こし、
価値を体感して、
一度でも体感したからこそその価値を理解し、
徐々に意図的に上記プロセスを作り出そうとするようになり、
最終的にはそのような行動習慣がついていきます。


現在イントラnewsingを導入し、非常に活発に使って頂いているみずほ情報総研様でも、
「ちょっと気になることがあるんだけど、イントラnewsingに投げて、他の社員の解釈を集めてみよう」
といった行動が習慣化しつつあるのです。
弊社SBM活用事例が日経産業新聞等で紹介
社内SBM市場の立ち上がり
社内ソーシャルブックマーク 導入事例と利用者アンケート結果
(当時企業内ソーシャルブックマーク機能がメインであったイントラnewsingも、ファーストユーザーであるみずほ情報総研様から数多くのフィードバックを頂き、現在では社内SNSの要素も包含した企業内情報共有の進化形としてご提供させて頂いています)



「相互理解を生みやすくする構造」を敷くことこそが根本的な解決。

その構造が創り出す「理解する機会」こそが社員を成長させていくのではないでしょうか。

社内SNSは情報の関係性「データグラフ」を重視

SNSの仕組みをそのまま社内にもってきても、なかなか活発に利用されないことはしばしば言及されます。これは、外部のSNS利用者は使いたいから使っている積極的ユーザーが多いのに比べ、社内で使おうとしたときには興味のない消極的ユーザーが多く含まれることに起因すると考えます。

従来のSNSは積極的ユーザー(良く書き込みを行う人)に有益な機能はどんどん追加されるのですが、消極的ユーザー(見てるだけ、そもそもログインしない人)を引き込む機能に乏しいのが問題です。


さておき、社内でSNSを活用するには、もう一つ重要な要素があるなあと最近感じております。要するに、企業内でSNSを活用するなら、やっぱりビジネスの役に立たないと意味が薄れるわけです。

そこで重要となるのが情報に基づいた人間関係を構築できる仕組みを設けること。つまり、人と人とを関係づけることを第一とするのではなく、情報のやり取りから生まれる関係を重視していく考え方です。

誰がその情報を投稿したのか、誰がその情報に注目しているのか、誰がその情報にコメントしたのか。関係性の主役はあくまで情報に置く。そこを起点に社員のつながりを発生させていくのです。賛否ありますが、もし足跡機能を付けるのなら、個人ページに対してではなく個別の情報に対してするべきです。

これが実践できると、特定分野に強い社員や、価値のある情報の可視化が実現していきます。なにより、なかなか書き込みがされないという問題を解決する手段としても有効です。

いわゆる「ソーシャルグラフ」よりも「データグラフ」の考え方です。

社員の成長は刺激の集め方次第

すっかりご無沙汰してしまいました。
前回の合宿以来、自分たちの追い求めるものを形にするために、ひたすら籠って開発していました。


開発に集中する中でずっと考えていたことがあります。
これまで、導入企業の運営担当者の方々と運営を試行錯誤させて頂いて、切に感じるのは、
「人は触れた刺激の数だけ、思考スイッチが入れられ、成長する」ということでした。


・上司に10年かけて掴んだ仕事の経験則を見せてもらった
・先輩に愚痴をこぼしたら「それって見方によってはラッキーなんだぞ」って気づきをもらった
・辞めていく同僚から「そんな生き方もあるのか」って考えたこともない選択肢をもらった


僕たちは会社の中で多くの刺激をもらい、その都度考えさせられ、
自分の人生を豊かにするための栄養に変えていっています。


ここで「人生を」なんて大げさな言葉にすり替えましたが、結構本気でそう考えています。


なぜなら、その刺激から得られたモノは、単純な業務遂行スキルだけに留まっていないですよね。
・本当に自分に合った道を探し出すスキル
・現実の制約を踏まえて見つけたゴールまで実際にたどり着くスキル
・今当たり前に周りに転がっている幸せに気づくことができるスキル
・自分に持ち合わせない価値観を受け入れ、理解し、適切な距離を作り出せるスキル
などなど、その社員の人生自体を大きく変えていく1要素となっているのではないでしょうか。


逆にそれがなければ、
・マニュアル外のことはまるで判断できない
・自分の狭い価値観の中で悩み続け、出てこれなくなる
・自分の価値観が絶対という思いから、周囲の合わない人への不満に支配される
・チャレンジすることに失望し、無関心となる
・プライベートでも家族や近所と心地よい関係を作り出せない
などなど、決して個人の人生としても望ましくない状態になりやすいような気がしています。


ちょっと大げさな例ばかり挙げてしまいましたが、
その重要性や影響範囲には共感頂けたのではないでしょうか。


上記をもっと細分化して考えると、
1.刺激を受け取る
2.刺激をキッカケとして思考が生まれる
3.自分の既存の視野の外に思考が及ぶ
4.これまでの自分に可能であった範囲以外の視野を手に入れる
5.見えていなかった希望を手に入れ次の一歩を踏み出す
というプロセスになります。


現在の多くの企業では、上記のような刺激が自然発生に任せられています。
これをもっと意図的に生まれやすくする企業環境に変革することが可能なのです。


「上記の刺激を意識的に集めることができる」
「集まった気づきを共有して、他の人にとってもひょんな気づきとなる」
「そんなアクションが当たり前の文化になることで、気持ちよくワクワクに仕事する人が増える」
「結果として、会社としても思考停止企業から脱却し、新しい価値を生み続ける土壌が確立される」


こういった話ってどれもこれも抽象的でイメージわかないですよね。
具体的な使用ケースをいくつか挙げてみましょう。


1.部署内でマネージャーのビジョンや気づきをグループブログに投稿した
2.部下からの質問が付き、回答し、それを周囲のメンバーで共有されることで真意が咀嚼された
3.部下の気づきに周囲が「こんな視点もあるよ」「いいアイデアだね」と反応して優れた結論が出た
4.日報から悩みを察した先輩が飲みに誘ってくれて相談に乗ってくれた
5.上記のような記事を翌年の新入社員が読み、先輩の「思考」を吸収した


1.会社としては取り組んでいないが、流行している「SaaS」研究グループを作った
2.同じく関心のある人が部署をまたいで集まり、一人ではとても収集できない情報が集まる
3.活発な議論により短期間で深い理解が生まれ、同じテーマを追う仲間となっていた
4.そこで集まった情報と研究結果と体制が引き金となり、新規事業立ち上げのキッカケとなった


1.プロジェクトでトラブルが発生し、一刻も早く解決する必要があった
2.質問記事を投稿し、メール通知により、プッシュした
3.一見関係ない部署の社員が類似問題を解決したことがあり、すぐに解決した
4.数か月後、同様の問題が発生した別の社員がタグで検索し、その記事を発見し、すぐに解決した


1.画期的なアイデアが浮かんだので投稿して反応を見ることにした
2.様々な角度から意見が集まり、「そんな側面から吟味する必要もあるのか」と思考が広がる
3.その議論を読んだ全員にそのような効果が波及した
4.多くの社員が反応し、「マスで見るとこちらの意見が大多数なのか」といった世論がわかった
5.集まった世論は上層部を動かし、現実の改革のキッカケとなった


こんな出来事が実際に多くの導入企業で生まれています。
新たな「情報の流れるパス」をつくるこのツールを使って、
「戦略的に刺激を振り撒いたり、フィードバックを収集して、自らの成長の糧とする社員」
が生まれてきているのです。


そういった社員を眺め、少しずつそのようになろうと刺激の集め方を変えつつある、
普段の思考プロセスが自発的なものへと変わりつつある社員が生まれ始めているのです。



社員にとっては、「大企業でも自己実現が可能となる手段、頑張ることが無駄にならない仕組み」
企業にとっては、「やる気のある社員のモチベーションが維持される仕組み、やる気を見出せない社員に気づきを与える仕組み」


大企業であってもベンチャーであっても企業を動かしているのは間違いなく「人」です。
「人」のモチベーション次第で企業全体の成果は大きく変わります。
企業と社員双方が、モチベーションを科学し、設計する時代に、既に差し掛かっているのです。