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エンタープライズ2.0研究室

社員のモチベーション分類図

現在、社内情報共有ツールの導入やナレッジマネジメント等の業務を担当していて常々思うのは、実際に働いている社員が動いてくれないことには話にならないということです。

いくら機能が優れたツール・サービスを導入しても、社員に全く使われ無ければ意味がないし、逆にあまり使い勝手の良くないツールでも、社員にバリバリ使われれば、その効果は間違いなく存在します。

基本的に企業における情報共有は、「他の社員の為」の意味合いが強い行為です。よってツールを利用し、情報を発信する社員にとっては、そこに何らかの「自分なりのモチベーション」を見つけ出す必要もあるのです。また、管理者側は「それ」を見つけ出す手伝いをしなければならないと考えます。

まさにそのお手伝いこそが、今僕が生業としていることなのですが、なかなか一筋縄ではいきません。
それはひとり一人によって感じとるメリットが異なるが故に、一律的な施策が打ちにくいことにあります。

ただ、この問題を解決できる方法があれば、社内情報共有は上手くいったも同然です。社員がみんな一つの目的に向かって動いてくれるわけですから、これほど力強いことはありません。

そこで自分が担当してきた案件や他からヒアリングした事例等を元に、社員が行動を起こす際のモチベーションについて分類を行ってみました。分類にロジックが組み込めれば、そのモチベーションを引き出すことも容易となると考えたからです。

まず、モチベーションが発生する要因を「外部」からと「内部」からにわけ、さらに要因を精神的なもの(虚)実利的なもの(実)に分類しています。まだ考え始めたばかりのロジックなのでご意見ある方はぜひ。

社内情報共有だけではなく、通常の業務にも活用できると思います。発奮させたい社員が、どのセクションでモチベーションを発生させるタイプなのかを区分し、企業文化に合わせた施策を検討すればよいのです。

情報共有における「能動」と「受動」

・コミュニケーション活性化
・ナレッジマネジメント
・製販一体の実現

目的は様々あれど、社内情報共有ツールの仕組みとして、利用ユーザーの「能動」と「受動」のバランスが重要ではないかと考えます。

社内ブログのように、ユーザー側が積極的にコンテンツを発信しなければ成り立たないツール、つまりユーザーの「能動性」に重きを置く場合、行動を促す「何か」がなければ、コミュニケーションは活性化しません。人が自ら行動するためには、それなりのメリットが明示されている必要があるわけです。

一方、例えば電子メールは、ほうっておいても情報が受信できる、ある意味最強の受動ツールです(もちろん、積極的な能動送信もできますが)。メーラーを開くだけでメッセージが取得できるので、ほとんど労力を使わず情報収集ができます。つまりユーザーが「受け身」のままでも機能としては成り立つのです。しかし、受動状態も度が過ぎると弊害が起きます。定期的なメールマガジン、定例報告など法則性の強い(目をひかない)メールはだんだんと未読になってしまい、埋もれていきがちです。

では、受動で且つ目を引けばよいのか、というわけでもありません。

「幸せが当たり前の状態では、幸せを感じることができない」ロジックと同様で、全自動が当然となってしまうと、そこから得る知識や知見というものが、薄っぺらいものになってしまう危険性があると考えます。

ここで、ちょっと別の切り口の話を。テレビをイメージしてください。

テレビはスイッチさえ付ければ、延々と番組が流れる「受動性」の高いツールです。
よって、「なんとなく」つけておくのには、テレビの方がパソコンなんかより向いているわけですね。

しかしテレビにも、能動性の機能があります。他ならぬ、「チャンネルを変える」ことです。
この能動的行為が取れなければ、テレビはただの受動ツールとしての認識となり、入ってくる情報は脳内で定期法則化してしまいます。これでは番組内容は印象に残りません。

これらを考えたときに、社内情報共有とそれを成すツールに求められるのが、冒頭の「能動」と「受動」のバランスという話になるのです。そしてもうひとつ大事なのは、発信が「能動」で受信が「受動」という単純な関係ではないということです。とりあえず下記に、それぞれの区分けについて具体例を記載しておきます。

【能動的】
・情報発信…社内ブログのエントリー作成
・情報受信…エンタープライズサーチの検索

【受動的】
・情報発信…SNSの足跡履歴の表示
・情報受信…RSSフィードの閲覧

意味としてご理解いただければ幸いです。

負担にならず、喜びのある能動性と、解り易く、適切な受動性。
そのツールが、無意識のうちに使われなくならないよう、意識して組み込む必要があります。

「組織のスピード力」~織田信長と情報共有~

今日は歴史の話を交えながら企業内情報共有について語ります。

時は戦国、群雄割拠の時代。

2万5千と言われる大軍を引き連れた今川義元を、尾張の一大名であった織田信長が迎え撃った、世に言う「桶狭間の戦い」。

この戦いの後、信長は急速にその勢力を伸ばし、京に上洛を果たすこととなります。そして天下統一の半ばで明智光秀に討たれることとなるのですが、それはまた別のお話。

今回取り上げたいのは、先に述べた「桶狭間の戦い」についてです。
注)僕は歴史の専門家ではありません。よってこの後の文章は史実についての正確性を論ずるものではないことをご了承ください。また「信長記」を主な参考としております。

さて、この桶狭間の戦いですが、絶対的兵力の少ない信長が勝利できたことについて、さまざまな要因が推測されています。

・突然の雨により、相手が攻めてくるはずがないと考えた今川方の油断
・豪雨が信長軍の馬の蹄の音を消し去り、超接近になるまで奇襲を悟られなかった
・出陣前に信長が舞ったとされる「敦盛」にて、兵の戦意が鼓舞された
・陣を敷きにくい桶狭間の地にて、義元の軍勢が間延びし、本陣の兵力が少なかった
・義元の位置や敵陣の様子を正確に把握できたことが、行動の判断材料になった

つらつらといくつか考えられる要因を上記に挙げましたが、どれか一つに原因があるわけでもなく、複合的に要素が絡まっての結果であることは間違いないでしょう。

ただ、信長が今川軍の情報収集に非常に力を入れており、集まった情報と現在の状況(天候など)を照らし合わせ、歴史的な英断=奇襲に踏み切ったということは、よく語られています。
その情報収集において、義元の位置情報を伝えるなど、大役を果たしたのが「簗田出羽守」という人物と言われています。

結局、義元は織田方の「毛利新助」に首をとられるわけですが、その前にも大きな務めを果たした人物がいます。大勢の部下に囲まれた義元の膝元に、いの一番に駆け込んで最初の一太刀を与えたとされる人物、「服部小平太」です。小平太との小競り合いの間に、新助が義元に迫り、とどめを刺したということです。

義元の死により、戦意を喪失した今川軍は退却。ここに歴史的な奇襲と称される桶狭間の戦いが完結します。


さて、勝利をおさめた信長は活躍した部下たちに恩賞を与えることとなります。もちろん、今までに名前の出てきた織田方の3名もそれぞれ評価されます。

①義元の位置を発見した「簗田出羽守」
②義元に初太刀をあたえた「服部小平太」
③義元の首をとった「毛利新助」

ここでひとつ質問を。皆さんがもし信長ならば、上記3名をどのような順番で評価しますか?今までの戦国大名は「首をとる」ことを重視し、その成果をあげた者を一番に評価してきました。

しかし、信長は違いました。

「毛利新助」を評価するのは当然なのですが、その結果をもたらすきっかけとなった情報発信者である①の「簗田出羽守」をこの戦の最大の功労者として評価し、②の「服部小平太」を次点の勲功としました。つまり従来の人事評価の考え方とは、まったく逆の方法をとったのです。

このエピソードは、信長自身の「情報」というものに対する考え方を強く表していると思います。信長は、「有益な情報を最初にもたらした者」、「その情報を生かす動きを最初にとった者」を高く評価することで、組織のスピード感を高めようとしたのでしょう。個人が手に入れた情報が全員に発信される土台をつくることで、その情報を活かすことのできる可能性を最大限に高める形となります。

逆に「最終的な結果を出した者」だけが評価される組織では、こういった情報共有はなされるはずもなく、個人が抱える流通しない情報と、他人を出し抜く自分本位な考え方のみが残ることになります。

ここまで言えばお分かりかと思いますが、これは現在の企業内の情報共有にも関係する話だと考えます。個人が手に入れた情報が全体にシェアされない仕組みであれば、組織としての動きは鈍ってしまい、せっかくの「桶狭間」のチャンスを逃してしまう事態になりかねません。しかし、多くの企業の人事評価方法を調べてみると、情報発信者に対する明確な評価基準が決められていない
ケースがほとんどといえます。

言い換えます。
売上をあげた社員、成果物を残した社員等に対する評価基準はしっかりしています。しかし、そのきっかけを生み出す情報発信者や情報加工者を、あまり気にかけていないのが現状です。

これからの企業に求められるスタンスは、成果につながった要因を情報発信から最終結果まで通して可視化できる仕組みを導入し、社内のオピニオンリーダーに対する評価を見直すことです。正当な評価基準を与えることで、企業内の情報流通は加速度的に活性化し、ビジネスチャンスは
これまでにない広がりを見せることでしょう。

様々な情報が世にあふれかえり、「情報洪水の時代」と化した現代を企業が乗り切っていくためには、信長に学び、信長のマインドを取り入れて、効率的な情報共有を行わなければならないのです。

なぜ「タグ」と「人」は情報共有の在り方を変えるのか

情報の洪水化が加速し続ける昨今、情報共有の在り方も大きな変化を迎えています。

皆様は普段の業務で欲しい情報がすぐに見つかっていますか?

「1時間かけていろいろ探したけど結局見つからなかった。
この手の情報は絶対過去の成果があるはずなのに。。」
なんてことはないでしょうか?

これはその情報へたどり着くための手がかりが限られていたためです。

その情報を使いたい人がどんな道で探すのかというのは蓄積する時点で
ある程度まで推測することができます。

例えば、提案書であれば、
「営業部」の「鈴木」が「金融業界」向けに「〇〇システム開発」の内容で「受注」できた「提案書」
という説明ができます。
おそらく、この提案書を後で使い回したい人は
「営業部」「鈴木」「金融業界」「〇〇システム開発」「受注」「提案書」
といったキーワードで探したいことでしょう。
しかし、その提案書の中に、上記のキーワードがそのまま含まれているとは限りません。
つまり、蓄積された情報の中の文字列と探して活用したい人の思いつく文字列が同じとは限らないのです。

これが同じでなければ、文字列検索ではひっかからないことになります。
「金融業界」「提案書」だけがひっかかったとしても、その数が膨大で絞り込む術がなければ
現実的な時間で到達することはできません。

エンタープライズサーチが発達して、会社中に分散されたナレッジシステムを横断的に
検索できるようになったとしても、探す母体が巨大になっただけで上記の問題はどうしても
つきまとってしまいます。

「タグ」はこのような問題を解決する可能性を秘めている概念です。
つまり、その情報について一番良く理解している作成者が
「こんな探し方をする人にとって有用ですよ」
と探されるであろうキーワードをタグとしてくっつけた上で情報を蓄積するのです。

先程の例で言えば、
「営業部」「鈴木」「金融業界」「〇〇システム開発」「受注」「提案書」
というタグをつけて提案書を蓄積することによって、
そのファイルに上記の文字列がそのまま含まれていなくても探し出すことができるのです。
「誰が」「どこに対して作った」「どのような内容の」「何で」「どうなったか」
といったようなタグ付けの運用ルールにしておくと、探す時もタグ指定がしやすいでしょう。
上記のカテゴリでタグを視覚化してあげれば、さらに探しやすいです。
(よく情報をアップするページにキーワードを埋め込むことも行われますが、
タグとして管理し、探す人にレコメンドできるのが大きな違いです)

今後は共有すべき情報に、音声ファイルや動画ファイルも含まれていき、
文字列が含まれないことも多くなるため、このように
「いかに後で辿りつきやすいように蓄積しておくか」
は蓄積した情報が活用されるのか、誰にも探されることなく作り損で終わるのかの
分れ道となると思われます。

さらに、これからの情報共有では蓄積された情報が改善されていくことが重要です。
言い換えると利用した「人」による有用な補足情報を無駄にしないということです。
「この提案書はこう工夫するとこちらにも使えた」というコメントを付加し、新しいタグを付け足すのです。

今までは、蓄積された情報とそれを使う人の1対1の関係が繰り返されるだけであったのが、
使った人だからこそ見える有用な補足情報を加えながら、情報自体の価値が増し続けます。
これは逆に「この情報は完全に古くなって今後使われることがないため削除すべき」という
判断を取り入れ、情報の洪水を緩和する働きも担います。

検索によってある条件下で機械的に正確な振いにかけ、
その結果からさらに絞り込むために、人によるファジーな判断材料が活きてきます。
検索結果で絞り込んだ50件の結果画面に、
「何人が過去に使用して」「そのうち何人が〇を付けて」「こんなコメントが付いた」
といった情報が添えられることでかなり判断が楽になるのではないでしょうか?

現代のビジネスマンが情報収集にかけている時間は平均週9.2時間だそうです。
これを全社員に換算するとコストは膨大なものとなります。
「情報に辿り着くまでの時間と、最終的に辿りつけるのかどうか、業務に活かしきれるのか」
にはもっとシビアになる必要があります。

私達はこのようなコンセプトで全く新しい情報共有システムを開発し、世の中に貢献したいと考えております。